非承認的な環境から発生するもう一つの状況は、その子の行動が受け入れ不可能、あるいは「狂気」とみなされてしまうというものです。これは本人も何を話しているのかわかっていないのだと言われてしまう子どもです。このような子は感情の激しさを理由に批判されます。しばしば過剰なリアクションを責められ、人々を操作するため、注目など何かを手に入れるため、あるいは体育などの何かから逃れるために、実際にとっているような行動をとっているのだと責められます。その子は感情をどうしたらよいのかを学習することなく、ただ自分は感情があるゆえに「悪い子」なのだと学んでしまいます。
このような子は親と劇場に行き、モゾモゾしたりします。親はその子に静かにするように言います。その子はもっとモゾモゾします。親はもっと声高に静かにするように言います。それは行儀が悪いことだと言い、迷惑をかけるのはやめなさいと言います。とうとう、母親がその子をロビーへと引きづり出して叱りますが、その子は嘔吐してしまいまづ。吐き気がしたので、モゾモゾしていたのです。
これは通常、次の二つのうちのどちらかを生じさせます。その人がもっと感情的になり、制御不能になってしまうか、感情を過度にコントロールして封鎖してしまうかです。これは「解離」、つまり感情を切り離すことにつながるかもしれません。その人は感情的に白紙になってしまうのです。あるいは、感情を抑え続け、結局は爆発するという事態になるかもしれません。通常、これは自傷的な出来事か(切る、自殺企図)、怒りの大爆発です。
次回は、「不在の親」を紹介します。
「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」 シャーリ・Y・マニング著