いくつかの簡単な方法が、その瞬間の激情に駆られても感情を静めるのに役立ちますが、交通渋滞でもイライラに対処しているときやつらい記憶がよみがえって悲しみを感じているときなど、危機的状況にないところで練習しておけば、危機の真っただ中でも実行しやすくなります。
*立ち止まる:一息ついて、身体的な感覚に注目します。その感覚に、あなたが経験している感情としてラベル付けをします。
「ああ、まただわ!朝の四時じゃないの!私の心臓は急に激しく鼓動し、即座にお腹が痛くなり、頭の中を多くの考えが急速に行き交う。私が感じている感情は怒りだ」
*体の姿勢に注意を払う:握っているこぶしを緩め、顔の筋肉をほぐします。他の筋肉も緊張していないかどうか確認します。
「妹が朝四時に電話をしてくるとき、私は電話を手にする前には(いつだって妹だとわかっているのだから)少し深呼吸をする。そして、電話の後には決まってベッドから全身を伸ばすようにする。そうすると自分の怒りではなく、自分の筋肉に焦点を当てやすくなる」
*微笑む:落ち着かせるメッセージを脳に送ります。
「これは、信じられないくらい効果的だわ。筋肉を伸ばすと同時に、落ち着いた感じがするのだから」
*あなた自身を承認し、励まして応援する。
「何が起こっているのかを考慮すれば、私の感情は理解可能なものだ」
「私はこの人を愛しているのだから、このような感情をもつのは当然だ」
「感情があるからこそ、私は何か力になれることをしたくなっているのだ」
「私はこの状況について、そして私の愛する人について、これらの感情を経験していることを受け入れる」
感情を調整する方法を練習した後でさえも、あなた自身の感情が愛する人との相互作用の中で大きな問題になっているように感じるのであれば、どのような種類の出来事や事件があなたの感情を高ぶらせるのか探るために時間をとるとよいでしょう。
次回は「あなたの感情を刺激する出来事をはっきりさせる」を紹介します。
「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」 シャーリ・Y・マニング著