2020年11月アーカイブ

ステップ4とステップ5

ステップ4: ブレインストーミング/調停

 

☆あなたの愛する人の助けを借りて、解決策のリストを作成します。

 

☆あなたの愛する人と協力し合って、一つの選択肢を選びます。

 

☆あなたの愛する人が実際に計画を実行するときに、妨害となりうるものを予想します。

 

 

ステップ5:あなたの役割と、結果を聞いてからあなたが計画できることについての情報を手に入れる

 

☆計画の実行において、あなたの愛する人を助ける/支援するために、あなたがする必要のあることは存在しますか?

 

☆あなたにとって重要であれば、報告/続報をリクエストする。愛する人に、あなたは怒ったことに関心があると伝え、新たな情報を得たいと伝えましょう。これは危機的状況にある人を承認するだけでなく、あなたを推測の状態のままにしないでおくことになります。

 

実際の五つのステップがどのように見えるか

 

ここに示すのは、五つのステップを使ったシナリオの例です。このシナリオで、スーザンは母親の家に行きます。明らかに動揺しています。

 

お母さん:どうしたの?

スーザン:お母さんは本当はどうでもいいのよ。私には何が起こっても当然だと考えているんだわ。

お母さん:(間を置き、一息つく。自己弁護への衝動に気づくが、それは役に立たず、スーザンの感情を増大させるであろうと知っている【自分自身の感情を調整している】)。スーザン、とっても動転しているように見えるわ。望むのであれば、私は聞くなり助けるなりの準備があるのよ。私にどうしてほしいかしら?【質問する】

スーザン:(怒って)私の人生をもっとましにしてほしいわ。全くひどい人生よ。

お母さん:ひどいことは知っているわ【承認】。何が起こったのか話してちょうだい。

スーザン:ボーイフレンドが口をきいてくれないの。(すすり泣く)

お母さん:それは傷つくわね【承認】。本当に傷つくことだってわかるわ。何が起こっているのか、お母さんに話してみたいかしら?【質問する】

スーザン:何度も何度もかけてみたけど、電話を返してくれないの。

お母さん:まあ【承認】。そのことについて話しましょう。ただ聞いてもらいたい?それとも次に何を試すか考えるのを手伝ってほしい?【質問する】

スーザン:助けてほしいわ(また感情が高まる)

お母さん:(微笑む【自分自身の感情を調整している】。)わかったわ、逐一教えて。いつ始まったのか話して。聞いているから【査定する】

スーザン:ええと、彼と昨日の夜出かけて、彼が別の女の子を見ていると思ったの。ひどい奴だって彼に言ったら、いなくなっちゃって。今は電話を返してくれないわ。

お母さん:わかったわ、次に何をするか考えるのを手伝ってほしい?【質問する】

スーザン:お母さんは何もできないと思う。

お母さん:私にもできるかどうかわからないわ【承認】。大きな問題は -それに、あなたはボーイフレンドのブルースに関しては何でもわかっているのでしょ- 今日、ブルースに話をさせるようにするのと、少し時間を置くのと、どちらが効果的だと考えるかってことだと思うわ【査定する】

スーザン:たぶん、時間をあげたほうがいいでしょうね。でも、私にそれができるとは思えないわ。

お母さん:時間を置いている間、スーザンにできることを私たち二人で考えたらどうかしら?【質問する】

スーザン:どんなこと?映画に行くとか?

お母さん:出だし好調ね。リストを作りましょう。それから、一番うまくいくものを選びましょう【解決策を考え出す】

 

後で、リストが作成されてから、

お母さん:できたわね。さて、お母さんに一緒に映画に行ってほしい?【役割の明確化】。それともお友だちのカリーに電話したい?

スーザン:カリーに電話するわ。

お母さん:もし、カリーが行けなかったらどうする?その時はどうするのかしら?【調停】

スーザン:カリーが行かないなら、お母さん、行ってくれる?

お母さん:もちろんよ。もしカリーが一緒に行くなら、映画の後で電話してくれる?どんな調子か、ちょっと知らせてほしいの。【結果について、あなたの知りたいこと】

 

 

次回は「あなたの愛する人が参加してくれない場合にどうするか」を紹介します。

 

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ステップ3:質問/査定する

☆具体的に、しかし穏やかに質問する。「どのように私に助けてもらいたいのですか?聞いてほしいですか?助言をしてほしいですか?すべきことを考え出す手助けをしてほしいですか?」

 

―もしも答えが「ただ聞いてほしい」であれば、ステップ4(ブレインストーミング/調停)は飛ばして、ステップ5(あなたの役割について情報を手に入れる)に進みます。

 

―もしその人があなたの意見を求めたなら、正確に何が起こっているかを査定します。

・何が起こったのか?

・それはいつ始まったのか?

・あなたの愛する人は何を問題とみているのか?

・その人は問題が解決した後に、その結末がどうなることを望んでいるのか?

 

 

次回は「ステップ4: ブレインストーミング/調停」を紹介します。

 

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☆何か認知できること(感情、思考、行為)を発見して、あなたの愛する人の感情をなだめる。

☆感情が高まり始めたら、立ち止まって再び承認する。

 

承認について、ここに挙げるのは心に留めておくべき簡単な「ルール」です。

 

*常に感情的経験を承認する:「これがあなたをとても傷つけるに違いないことはわかります」「これについて腹を立てるのは理解できます」 (決して「そんなふうに感じるべきではない」「そんなにひどいわけがない」「ねえ、物事の良い面を見なさいよ...」などとは言わないこと)

*安心させようとして、愛する人の言い分を直したり、矛盾を突いたりしない:「バカみたいだと感じているのはわかるわ」のように言いましょう。(続けて、「でも、あなたは馬鹿ではないわ」とは言わないこと)

*決して承認できないことは承認しない:「ああ、いいんだよ。これから先はそんなに飲まないようにね」と言う代わりに、「昨晩そんなに飲んでしまったのは、いい考えではなかったと感じているみたいだね」と言いましょう。「そうだね、どうにも仕方がなかったんだろうね」とはいわないように。(このメッセージは、あなたの愛する人の自分は無能だという恐れや、「自己コントロール」の欠如という恐れを裏付けてしまい、その人を壊れ物のように扱うことになります。代わりに、「次回、そういうふうに感じたときにバーに行くのを避けるためには、どんな違ったやり方ができるだろうか?」と言いましょう9

*実際、疑問があればいつでも、言明をする代わりに質問をする:「~すべきです」の代わりに、「ここでうまくいくのは何だと思う?」と問いかけましょう。「明らかに失望しているようね」の代わりに、「失望を感じているの?」と問いかけましょう。(BPDをもつ人は、しばしば何々を考えている、感じていると言われることに反発します。感じ方、考え方、振る舞い方が誤っていると言われる経験を、嫌というほどしてきているからです)

 

次回は「ステップ3:質問/査定する」を紹介します。

 

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すべての感情には行為-感情があなたにするように駆り立てることーが伴います。あなたがその瞬間にその感情を少し弱めたいのであれば、ちょっとした「反対の行為」を使ってみてください。対人的な葛藤に対処しているときに人々が最も経験しやすい四つの感情は恐怖、怒り、罪悪感、悲しみです。ここでは、怒りや悲しみを調整するために反対の行為がどのように使えるかを示します。

 

怒り

怒りは(電話で、e-mailで、面と向かって、携帯メールで)攻撃したいと思わせます。怒りを減らすために最も重要なのは、離れることです。歩き去りましょう。電話を切りましょう。携帯であれパソコンであれ、メールするのをやめましょう。-けれども穏やかにそうしましょう。捨て台詞なしに、憤怒なしに。ただ距離を置くのです。つながったままでいれば、怒りは激しいままであるか、増大さえしかねません。離れた後には、「親切」を実施して下さい。愛する人の目を通して世の中を見て、その人への慈心を発見し、その人に何か親切なことをしましょう。慈心があれば、怒りは維持できないものです。

怒りへの合図となるものが繰り返し思い浮かぶので、怒りを抑えておくために、慈心を何度も何度も使わなければなりません。

 

悲しみ

悲しみは一人になりたいと思わせます。あきらめて、ベッドに潜り、頭から布団をかぶりたくなります。無活動状態を生むのです。多くの場合、家族は愛するBPDをもつ人を助けようとして消耗しきってしまいます。そこにおいて、「反対の行為」は活性化治療(感情を低減するのとは対照的に、身体の生理学的機能を高めることを目的とする)となります。再び動き出すのです。もしあなたがその瞬間に悲しみを減らそうとしているのなら、きびきび散歩に出てください。テニスをしてください。泳ぎに行ってください。手持ちのエアロビクスのDVDをかけましょう。より長期的には、あなたの支援組織を動かして、あなたの愛する人に関係していない楽しいイベント(難しいとわかっていますが、これも愛する人を助けることになるのです)を行うようにしましょう。愛する人のために利用可能なものを調査し、サポートグループを見つけましょう。あなたの身体と感情に、動かず静かにしていることを許さないようにしましょう。

 

 

次回は「ステップ2:承認する(すべての段階でこれをすること)」を紹介します。

 

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私たちの誰にでも、他の人よりも感情的になってしまう状況というのがあります。それに、通常なら反応しないであろう状況に感情的な反応をするときというのもあります。愛する人に感情的な反応をしてしまう「引き金」を特定したければ、この査定を行ってください。ひとたびあなたを感情に対してより脆弱にするものや、感情に火をつける状況がわかるようになれば、どのように感情を変えるか、そしていつ愛する人と関わらないことにするかを決められるようになります。

 

1、          あなたの愛する人との相互作用が特にまずい展開になってしまったときのことをいくつか思い出してください。

2、         やりとりは最初から感情的でしたか? それとも、感情は徐々に高まりましたか? または爆発しましたか?

3、         人生の中で起きているほかのことで、その日にあなたをより感情的にさせるものがありましたか? あなたは疲労していましたか? 病気でしたか? 職場で問題を抱えていましたか? こういった要因があると、あなた自身が感情的になるリスクが生じ、愛する人への対処はあまり効果的ではなくなってしまっています。

4、         その出来事を少し分析してみましょう。

A, それはいつ始まりましたか? これはきっかけとなる出来事です。ほとんどの問題にはパターンがあります。類似のきっかけとなる出来事を探しましょう。

B, あなたとあなたの愛する人の間での問題が避けられないものになったポイントには、いつ到達しましたか? もう引き返せないというポイントはありましたか?

C, 爆発の後に何が起こりましたか? あなたは自分の行動を変えましたか? 愛する人は自分の行動を変えましたか? 数日間、口をききませんでしたか? あなたの愛する人の感情的なリアクションを強化したかもしれないこと(あなたが譲歩した、など)や、あなたの行動を強化したかもしれないこと(その人が激怒して数日間あなたに話しかけなかったので、問題の対処をしなくてすみ、休息を得た、など)を探すのです。

 

うまくいかなかったやり取りに関して、きっかけになった出来事とあなたの反応を見直してください。エスカレートしないように、その瞬間のあなたの行動を変えられる方法はありますか? あなたの感情が邪魔になりましたか? そうであれば、あなた自身の感情の調整の練習に戻りましょう。あなたは愛する人の行動を強化しましたか? そうであれば、あなたのリアクションを強化的にならないように変えましょう。強化的でないリアクションを発見するまで、これを数回行わなければならないかもしれません。あなたはやり取りをエスカレートさせるように強化されましたか? そうであれば、エスカレートさせずに望まれた結果を手に入れる方法を考え出しましょう。

 

次回は「リネハンの『反対の行為』:行動で感情を調整する」を紹介します。

 

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