あなたの愛する人と一緒にいてカッとなっている瞬間に、自分が一つの考えや感情に固執していて、それがあなたに不快感をもたらしていると気づいたとき、受容を練習することができます。あるいは、あなたの愛する人と関わっていないときにも練習はできます。あなたは以前の関りから来る痛みや現在の人生の状況についての苦悩をたくさん経験するでしょう。これらに対しては受容を練習することが必要となります。
1、
自分が何を受容していないかを明らかにする。何が自分を惨めにしているのか、自問してください。
2、
「私は~を受容する」と言葉に出して述べる。
3、
自分の身体の姿勢に注意を払う。受容的な姿勢を必ずとるようにする。
a.
手を握りしめないこと。
b.
顔の筋肉をリラックスさせること。
受容としての慈心
私たちの感情を確実に抑えておくための一つの方法は、慈心を練習することです。もちろん、これはあなた自身とあなたの愛する人を受け入れることを必要とします。慈心は他人の苦境への感情移入を経験させてくれるのです。慈心や感情移入を哀れみと混同しないことが大事です。哀れみによっては、あなたは愛する人を絶望的であるか壊れ物であるかのように扱うことになり、有益ではありません。慈心というのは、その瞬間のあるがままのその人への深く根深い受容なのです。
慈心は自慈心に始まります。自分自身への慈心がなければ、他者を受容して、その人に慈心を持つことはできません。白熱している瞬間に慈心をもつことは難しいので、感情が高まる前に練習しなければなりません。
慈心の練習の仕方
1、
自分自身から始めましょう。
a.
楽しんでいて、受容的な自分自身を思い描いてください。それはどのように見えますか?あなたの顔に浮かぶほほえみを見てください。親切なことをしている自分を思い描いてください。忍耐を技能をもって状況に反応している自分をイメージしてください。
b.
あなたのポジティブな性質について考えてください。過去のあなたの親切行為はどのようなものでしたか?不愉快さに直面しつつも誰かを受容したのはいつでしたか?
c.
自分についての共感的で受容的な言葉を声を出して述べましょう。自分について、愛すべきことを発見し、何度も何度も繰り返して言いましょう。
2、
今度はあなたの愛する人について同じことをやってみましょう。さまざまな慈心の練習方法では何がうまくいくか、書き留めると役に立つかもしれません。
a.
あなたの愛する人が、楽しんでいて、重荷から解放されている様子を思い描いてください。これはどんな風に見えますか?
b.
あなたの愛する人のポジティブな性質と、その人の人生でその人が行った親切で共感的な行為を思い出してみましょう。
c.
あなたの愛する人に対する共感的で受容的な言葉を声に出して述べましょう。あなたに受容(平和な気持ち)をもたらす言葉を選び、それらを暗記できる言葉へと変えましょう。
次回は「自慈心としての自己ケア」を紹介します。
「境界性パーソナリティ障害をもつ人と良い関係を築くコツ」 シャーリ・Y・マニング著