⑥愛する人に、その痛みを引き起こした問題が何であれ、それを解決する上でのt助けを望んでいるか質問しましょう。
先に注意したように、最初にその人が助言を求めているかどうかを確かめずに、「これがあなたのすべきことです」と言うと、感情を静めるのではなく、高めてしまうでしょう。「質問する/査定する」は以前に紹介した5つのステップの反応の中でも重要なステップです。
とはいえ、はっきりした答えは得られないかもしれないと覚えておいてください。その人はこの種の相互作用に参加することを拒絶するかもしれません。感情が高ぶりすぎたままかもしれません。「私はどのように手助けできますか?」に対して、BPDをもつ人が「あなたには手助けなどできません。誰にもできることなんてないのです」のように答える時には、いつでも承認に戻るべきです。「たった今はそういうふうに感じられるのはわかります。わたしにもわたしが手助けできるかどうかは分かりません。でも私には、やってみようと気持ちが間違いなくあります」と言いましょう。あなたの愛する人に問題解決をさせないように。
一緒に少しブレインストーミングをしようと提案してもよいでしょう。けれども、その人のアイデアを生み出す力は深刻に損なわれていることを覚えておいてください。私たちは皆、感情的になっているときには、集中したり、ブレインストーミングをしたり、問題の解決法を選択したりする能力を失っているものです。感情への反応として、私たちの脳組織に神経化学的プロセスと変化が起こり、そのすべてが問題解決の能力を妨害するのです。ですから、もしあなたがブレインストーミングを試そうとし、愛する人がギブアップして「解決策なんてありません――私にできることはありません」と言う場合にも、その人が受動的あるいは非協力的になっていると結論しないようにしてください。多くの場合、その人は感情があまりに高ぶっているので、そのような精神状態では何の完結策も考えつかないということなのです。そのような場合にはいつでも、あとでまたやってみようと提案することができます。
次回は、あなたの愛する人が感情の渦にはまってしまっているときに、今までと違うやり方で行えること ~その7~ を紹介します。
「境界性パーソナリティー障害をもつ人と良い関係を築くコツ」 シャーリ・Y・マニング著