抗精神病薬受容体の発見ものがたり
精神病の究明を目指して
ジャック・ヴァン・ロッスムによって初めて提唱された統合失調症のドーパミン仮説は、時の試練に耐え続け、この疾患の最も確立された理論的根拠であり続けている。1975年のトロント大学における脳内の抗精神病薬の標的(当初は抗精神病薬/ドーパミン受容体と命名され、後にドーパミンD2受容体と再命名された)の発見は、ドーパミン仮説の最初の確認であった。この本は、その発見についての物語である。
ニール・シーマン、
フィリップ・シーマン 著
渡辺雅幸 著・訳
定価 3,080 円(本体2,800円 + 税) 四六判 上製 292頁
ISBN978-4-7911-0783-4〔2011〕
Contents
第1章 思考について思考する
第2章 フレンチコネクション
第3章 統合失調症とは何か?
第4章 流行、思考を修理する化学物質だって? 不可能だ
第5章 どこだろう?
第6章 抗精神病薬による細胞膜の安定化
第7章 研究戦略
第8章 抗精神病薬による神経細胞膜の拡張
第9章 抗精神病薬の治療濃度
第10章 イエテボリなんか恐くない
第11章 抗精神病薬/ドーパミン受容体
第12章 統合失調症のドーパミン仮説
第13章 D2受容体の分離、モデル
第14章 発達、そしてD1-D2リンクの破綻
第15章 パーキンソン病における過感受性
第16章 クローン
第17章 ドーパミン受容体DNAと統合失調症
第18章 占有、PET
第19章 D2Longer
第20章 ノーベル賞、統合失調症、そしてDNA
第21章 突破口
第22章 より多くのD2High受容体こそが統合失調症の統一的メカニズムなのだろうか?
第23章 D2High受容体は人でも見いだされるのだろうか?
第24章 将来の薬剤とライナス・ポーリングの規則
第25章 精神病の発火
第26章 D2受容体発見の衝撃